近年、AI(人工知能)の発展が著しく、さまざまな業界で活用が進んでいます。
製造業や建築業でもAIを導入する動きが見られる中、職人の世界にAIがどのように影響を与えるのか、建築板金業の視点から考察してみたいと思います。
現在のAI活用状況

現状、当社ではChatGPTに質問する程度で、業務にはほとんど活用できていません。
職人の技術が求められる分野では、AIの導入が難しいと考えられがちですが、実際にはどのような活用方法が考えられるのでしょうか。
AIが活用できそうな業務

1. 経理業務
経理全般では、従来の会計ソフトやクラウドサービスを活用して、十分対応できているのですが、以下の項目にAIを活用できるかもしれません。
- 経費管理の自動化:AIがレシートを読み取り、経費として自動分類
- 請求書の自動作成:取引履歴をもとに適切な請求書を自動作成
- 支払い期日の管理:AIが支払いスケジュールを最適化し、リマインドを通知
費用次第ですが、対効果を考えると、とりあえずは現状のままでいいかもしれません。
2. 見積もり作業の支援
建築板金業では、屋根形状や材料の違いにより、見積もりが一律ではありません。
AIがどの程度サポートしてくれるのでしょうか。
- 過去のデータを活用した自動見積もり:類似案件を学習、概算見積もりを作成
- 材料コストの自動計算:最新の市場価格を基に最適な材料費を算出
- 施工時間の予測:過去の作業時間データを基に、施工期間を自動推定
これらを実現するには、自社開発やインフラ整備、カスタマイズなどが必要となるため、コストを考えると従来通り自身で見積もりを行う方が現実的かもしれません。
AIを積極的に活用したい分野
職人の技術が求められる現場作業へのAI導入は、最も大きな課題です。
現在、現場作業は職人の経験と技術に大きく依存しており、完全な自動化は困難ですが、AIを補助的に活用する方法が考えられると思います。
1. AR(拡張現実)とAIによる施工支援

- 施工手順のガイド:ARグラスを使用し、AIがリアルタイムで作業手順を指示
- 現場の測定とデータ化:AI搭載のカメラで屋根の形状を計測し、最適な加工指示を生成
2. ドローンとAIの組み合わせ

- 屋根や外壁の点検:ドローンにAIを搭載し、損傷部分を自動検出
- 施工エリアの測量:高所作業前にドローンが詳細な測量データを収集し職人に提供
3. ロボットアシストの導入

- 鋼板の運搬や配置:AI制御のロボットが重い材料を運搬し、職人の負担を軽減
- 自動ビス打ち機:AIが適切な間隔でビスを打ち込む機械を制御
AIと職人の未来
ここまで書いてきたように、職人の仕事をAIが完全に代替することは難しいですが、補助的な役割を果たすことで業務の効率化が進む可能性があるかもしれません。
- 職人の負担軽減:AIが測定・計算を担当、職人は施工に集中
- 技術の継承:熟練職人の作業データをAIに蓄積し、次世代への教育ツールとして活用
- 施工の安全性向上:AIがリスクを検知し、事故を未然に防止
まとめ
建築板金業におけるAI活用は、経理や見積もり作業の効率化にとどまらず、現場作業の支援にも可能性を秘めています。
特に、AR・ドローン・ロボットとAIを組み合わせることで、職人の負担を軽減しつつ、より高品質な施工が可能になるかもしれません。
今後の技術発展に期待しつつ、職人とAIが共存する未来を模索していきたいと思います。
最終的に技術の発展を、お客様の満足や利益に結びつけていきたいと思います。
屋根・外壁・雨樋などのお悩みは、当社にお尋ねください。