【職人の道具をご紹介】釘を打つだけではない「板金ハンマー」について

今回で3回目となる「職人の道具をご紹介」の記事ですが、前2回と合わせた三工具が、板金職人のメインとなる三種の神器と言っても過言ではありません。

ハサミ

ツカミ

今回の記事では「板金ハンマー」についてご紹介します。

タイトルにもある通り、板金職人は「釘を打つ」ことはもちろん、それ以外の作業の際にもハンマー用いて、器用に使いこなしていきます。

腕の見せ所とも言えるハンマーの使い方をご覧いただけたら幸いです。

板金ハンマーとは

「株式会社盛光」様ホームページより引用

一般的に、ハンマー・金槌・トンカチと言うと、両側が丸くなっていて、平らな面で釘などを打ち付ける形状をイメージされるかと思います。

板金ハンマーは基本的に、両側の形状が異なります。
特徴としては片側が先細った形状になっています。

これらを使い分けて、細かい加工などを行います。

ハンマーテクニックをご紹介

上記動画は、当社代表取締役である柴田が、折板ラジアル用のケラバ包みを加工している様子です。

折板ラジアルとは以下のようなR状の屋根を指します。

ケラバ包みとは、その両端面の化粧目隠しとお考え下さい。

動画では、細かくハンマーやそれ以外の工具を使い分けています。

真っすぐな鉄板を思い通りのR形状に変形させるためには、豊富な経験と、絶妙な力加減が要求されるため、見た目以上に高度な技術力を要します。

使い方のコツとしましては、細かい作業の場合はハンマーを短く持ち、力を加減しながら使用し、長い釘などを打ち込む場合は、なるべく柄の方を持ち、手を打たないように気を付けながら、力強く打ち込むことで精度が上がります。

電動工具の「ハンマー」

カラー釘用

だいぶ年季の入った工具の画像ですが、「ポケガン」という愛称で呼ばれています。
主に、短い釘用に使います。

板金仕事において、屋根などの色に合わせたカラー釘を使用する機会がよくあります。

その際、通常のハンマーで打ち付けると、釘頭の塗装が剥がれてしまう事があります。

ポケガンを使用すると、その心配が無い上に作業効率も上がるため、欠かすことの出来ないアイテムとなっています。

長めの釘用

こちらは、特に愛称などはありませんが「エア釘打ち機」という名称です。

ポケガンと比較して、さらに長い釘などに使用します。

屋根材を木の下地に打ち付ける際に使用するものですが、手で使用するハンマーよりもはるかに作業効率がアップします。

ビス打ち用

その他にも、ビスを打つための「高圧エアビス打ち機」というものもあります。

このように板金業界では、作業の速さや仕事の内容によって、どんどん電動工具を取り入れる傾向にあります。

まとめ

板金職人の三種の神器の1つ「ハンマー」についてご紹介しました。

電動工具の便利さもご紹介しましたが、この先、工具が如何に進化したとしても、手で使用する板金ハンマーが無くなることはないと思います。

それほどに、板金職人には機械には不可能な繊細さと臨機応変さが要求されます。

当社の職人は、手前味噌ですが、どこに出しても恥ずかしくないプロ集団です。

経験と技術力は間違いなく保証いたしますので、屋根・外壁・雨樋に関する、お困りごとや悩みがある方は、お気軽に当社までご連絡をお待ちしております。

【職人の道具をご紹介】一般には馴染みのない道具ですが、板金には必要な「ツカミ(掴み)」について

以前の記事で、板金職人が使うハサミについてご紹介しました。

ハサミと言えば、どなたでも形の想像が付くと思いますし、板金工具として使うのであれば鉄板を切るんだろうなとイメージが湧きやすいかと思います。

今回はハサミと同等くらいに重要な板金工具である「ツカミ」についてご紹介します。

名前からは形状が想像しづらい、一般にはあまり馴染みのないものではありますが、本記事の最後では、ご家庭での簡単な板金補修時の使い方などもご紹介させて頂きますので、最後までお付き合い頂けたら幸いです。

ツカミとは

「株式会社盛光」様ホームページより引用

上記画像の通り、様々なサイズラインナップがある「ツカミ」ですが、掴箸(つかみはし)などと呼ばれることもあります。

また、上記は先端が丸くなっていますが、平掴みと呼ばれる、先端が真っすぐな形状のものも存在します。

名前にある通り、鉄板を掴むために存在する道具ではありますが、使い道は様々で、本当に優秀な板金工具です。

「ツカミ」の使い方

まず、大前提として、建築板金で扱う鉄板の厚さは0.35mm程度のものから、厚くても0.8mm程度のものを使用します。

1mmにも満たない厚さの鉄板ですが、手で曲げたり、綺麗に折り目を付けたりすることはまず不可能なほど硬いです。

この点を補ってくれる道具が「ツカミ」です。

曲げる

建築板金に置いて「鉄板を曲げる」と言う作業は、全行程の中でもかなりの割合を占めるほど、登場します。

また、大きく長く曲げる箇所や、小さく少しだけ曲げる箇所など、多くのシチュエーションが存在します。

これらに対応するために「ツカミ」は様々な形状やサイズがある訳です。

合わせる

「合わせる」という言い方をしてしまうと、少し語弊があるかもしれませんが「鉄板同士をくっつける」作業時にもツカミが大活躍します。

というのも、屋根などを施工する際、鉄板の重なる部分は、水が浸入しづらい形に鉄板同士をくっるけるのが一般的です。

強力なノリのようなものや、ボルトなどで固定することもありますが、その場合も基本的には鉄板同士を合わせます。

つぶす

「曲げる」「合わせる」などの工程の後、最後にその部分をつぶす作業があります。

「潰す」と言うと悪いことのように聞こえるかもしれませんが、水の浸入を防いだり、施工箇所を長持ちさせるための大切な工程です。

このように「ツカミ」という道具には、たくさんの使い方が存在します。

電動工具の「ツカミ」

エアーベンダーと呼ばれる電動工具は、ツカミの役割を電動で行ってくれる優れものです。

ここまでご紹介した実際に手で使用するツカミと比較して、以下のようなメリットがあります。

  • 仕上がりが綺麗
  • 作業スピードが速い
  • 強力なので、厚さのある鉄板にも向いている

その他にも、ヘッドを交換することで、様々なタイプの屋根形状に対応し、使用することができます。

良いこと尽くめのエアーベンダーですが、狭い箇所や、細かい作業は、やはり人力に軍配が上がります。

我々板金職人は、これらの工具を適材適所で使い分け、お客様の屋根を最適に施工させて頂いております。

ご家庭での「ツカミ」の使用方法

雪害などによって、曲がったり、外れてしまった雨樋の簡単な補修に、ツカミは最適です。

縦樋(屋根から雨水を地面に向かって流す縦に伸びる雨樋)が外れてしまった箇所などを、もう一度はめ直し、ツカミで軽く挿し口を締めてあげることで、ご自身でも補修できてしまう場合があります。

補修する場合は、金属製の雨樋に限りますし、必ずしも補修できるわけではありません。

もし、ご自身の手に負えないような箇所の修理は、ぜひ、当社にお任せください。

2021年~2022年にかけて、山形は稀に見る大雪に見舞われました。
多くの住宅の屋根で被害に遭われた報告を耳にします。

そのような方々が安心して住まうことの出来るよう、全力で、施工・修理を実施させて頂きます。

【職人の道具をご紹介】板金工具の要!「ハサミ(鋏)」について

板金職人である我々は「屋根」「外壁」「雨樋」などの施工時に、様々な工具を使用します。

全てをご紹介するとキリがありませんので、この記事では、重要な「ハサミ」についてご紹介させて頂きます。

昔ながらの「ハサミ」から、進化した「電動工具」まで、メリットなども踏まえて、記載しますので、宜しければ最後までご覧ください。

板金職人とは

板金職人の腕の見せ所と言っても過言ではない仕事の一つが、ハサミによる作業です。

薄い鉄板を思い通りの形状に切断して、施工出来るかどうかは、住宅の屋根の寿命に直結するほど重要です。

家庭で使用する、文具ハサミやキッチンバサミなどとは、力の加減や持ち方も全く異なる、工具独特のくせがあります。

そのため、我々職人は日々鍛錬を欠かしません。

「柳刃」ハサミ

「やなぎば」という読み方をするハサミですが、職人は愛着を込めて「やなぎっぱ」などと呼ぶこともあります。

こちらのハサミは、言い換えると「万能ハサミ」です。

あらゆる箇所の切断に使用します。

高価な物から、比較的安価なものまで市場にはありますが、鉄素材のみのものは、経年劣化で曲がりが生じてしまいがちです。

そのため、近年は「ハイス鋼」と呼ばれる、非常に硬い鉄鋼材料を使用したハサミが主流となってきています。

板金職人の第一歩は、この「柳刃を自在に使えるようになること」と言ってもいいほどです。

では、柳刃さえあればいいかと言うと、そうではないところが、板金工具の奥が深いところです。

「エグリ」ハサミ

柳刃と比較して、刃が小さいこちらのハサミは「エグリ」と呼ばれています。

何やら物騒な名前ではありますが、細工切断が得意です。

特に、2~7cm(20~70Φ)程度の直径の円の切断時に大活躍します。

具体的な施工箇所は、雨樋の落とし口や、壁の配管が通る部分となります。

最終的には、人目に付かない切断箇所ではありますが、当社では、見える見えないに関わらず、一切手を抜かずに施工させて頂いております。

「縦切」ハサミ

「たてきり」というこちらのハサミは、長い直線の切断を得意としています。

鉄板の直線切断は、真っすぐに切ることは当然ですが、力加減がとても大切です。

力加減を誤ると、鉄板がうねって波状に見えてしまい、不格好になってしまいます。

どのハサミも日々の鍛錬と積み重ねが大切です。

電動工具

先にご紹介した縦切は「長い直線の切断が得意」とお伝えしましたが、人間の握力には限界があるため、切断距離が長いほど難易度が上がります。

そこで活躍するのが「電動シャー」と呼ばれる工具です。

切断精度が抜群であるだけでなく、手作業に比べてスピードが大幅にアップします。

作業効率を考えると、電動工具は今や必須アイテムと言えます。

「手動ハサミ」と「電動工具」の違い

電動工具が便利で、作業効率がいいからと言って、手動のハサミが不要かと言うと、全くそんなことはありません。

細かい作業や、特に見た目が重要な箇所の施工は、ハサミによる手作業が最も優れています。

この先、工具が如何に進化したとしても、手動のハサミがなくなることは無いのではないかと思っています。

まとめ

板金工具の要であるハサミをご紹介しました。

他にも、サイズ違いや、様々な形状・用途のハサミがあります。

それらを適材適所で使いこなすことによって、お客様が安心して暮らすことのできる住宅の「屋根」や「外壁」を施工させて頂いております。

工具を大切にし、鍛錬を欠かさないことも、職人にとっては重要であると考えます。

そのため、手前みそではございますが、当社の職人は皆が一人前と自負しております。

ご自宅の「雪止めの設置」「雨樋の破損」など、お困りごとがございましたら、お気軽にご相談いただけましたら幸いです。

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